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構造主義とは?をわかりやすく解説【集中力のトリガーになる!?】

投稿日:2019年6月9日 更新日:

 

こんにちは、素人哲学者 ミルマノ(@_mirumano_)です。

 

この記事では、「構造主義」について紹介していきたいと思います。

 

この記事を読んでいただければ

・構造主義って何?
・構造主義と実存主義の関係
・構造主義の代表的哲学者

などなどがわかります。

 

「とにかく構造主義をざっくりと知りたい!!」
って方にオススメの記事です。

 

構造主義とは

 

では、まず結論から。
構造主義が何かを国語辞典から引用してきましたのでご覧ください。

 

人間の社会的、文化的諸事象を可能ならしめている
基底的な構造を研究しようとする立場。
ソシュール以降の言語学理論を背景に、
レヴィ=ストロースの人類学でこの方法が用いられて以来、哲学や精神分析など、主として人文・社会科学の領域で展開されている。

【引用:構造主義(こうぞうしゅぎ)の意味-goo国語辞典

 

うん。
わかりにくいですよね。

 

まずは構造主義の「構造」という言葉ですが、
構造=仕組み
と考えてください。

 

で、「構造」主義ですので「仕組み」に重きを置く態度や立場、
という風に理解してもらえばいいと思います。

 

まだ、これでもわかりにくいと思うので、
とりあえず構造主義と対立関係にある、実存主義を紹介したいと思います。

 

構造主義と実存主義

構造主義が発展したのは20世紀中頃です。

 

それまで哲学として盛り上がっていたの「実存主義」でした。

 

実存主義とは
「本質存在よりも現実存在を有位に置く考え方」

 

さらに噛み砕いた説明をすると
「目的の前に、行動がある」
という考え方です。

 

この実存主義の代表的哲学者として、
ハイデガーとかサルトルという哲学者がいます

ちなみに実存主義が発展するまでに哲学者の中で流行っていたのが
「真理とは何か?」を求めることでした。

 

しかし、サルトルは
「真理が何かを定義することは無理だ、
 でも、だからこそ私たちは、真理を追い求めるため
 必死こいて人生を歩んでいくんだ」

 

という様な思想を打ち出し、当時の哲学に大きな影響を与えたのです。

 

しかしこれに対しても意義を唱えたのが、
構造主義哲学の代表者、レヴィ=ストロースでした。

 

構造主義のレヴィ・ストロースって誰?

 

レヴィ・ストロースはもともとはサルトルと仲のいい哲学者でしたが、
様々な意見の食い違いによりサルトルと実存主義を批判しました。

 

構造主義の実存主義に対する批判

 

「そもそも真理なんてない、追い求める必要性がない」
いうのが彼の考えでした。

 

ではもう一度サルトルの思想を見てみましょう、

 

「真理が何かを定義することは無理だ、
 でも、だからこそ私たちは、
 真理を追い求めるため必死こいて人生を歩んでいくんだ」

 

でした。
しかしこの考えにはカッコ書きがありました。

 

「真理が何かを定義することは無理だ、
 でも、だからこそ私たちは、
 真理を追い求めるため必死こいて人生を歩んでいくんだ
その行動が正しいかどうかは歴史を見ればわかる)」

 

この考えに対してレヴィ=ストロースは
「君のいう歴史って西洋だけの歴史をいっているんだろ?」
と思ったわけです。

 

そんな風にレヴィ=ストロースが感じたのは
彼が哲学者である前に社会人類学者だったからです。

 

彼は自身の研究のために、様々な国の先住民と生活をし、
その中で、西洋哲学の歴史こそが先進であり、
それ以外は「未開の地」である
という考え方に疑問を抱いたのです。

 

「西洋が未開だと考えていている地域でも、
先住民はそれぞれの文明を発達させており、
そもそも比べることこそおかしい。」

 

「また真理を発見しても、
それは西洋哲学にとっての真理だから、
そもそもそれは真理って言えるの?」

 

というふうに考えたのです。

 

また彼は研究と並行して
先住民と同じ暮らしをする内にあることに気づきます。

 

インセスト・タブー

 

インセスト・タブーとは近親婚の禁止という意味です。
あらゆる社会において、近親婚は禁止されています。

 

この世界には一夫多妻制が許されている社会もありますが、
日本の様に許されない社会もありますよね。

 

では、なぜ近親婚はあらゆる社会で禁止されているのでしょうか?
それに対してレヴィ=ストロースはこの様に考えました。

 

「近親婚が禁じられるのは集団を閉鎖的にしないためである。

 

もし近親婚が、一般的なものであれば、人間は繁栄する確率が下がる。

 

集団を開放的にし、社会を作るために、近親婚は認められず、
そこには見えない力が働いていて、見えない構造がある」

 

レヴィ・ストロースはなぜその様な見えない力が働くか?
については明らかにしませんでした。

 

しかし社会には見えない構造が働いていて、
それにより、社会構築されている
ということを証明しました。

 

長々と書いてきましが、この社会には見えない構造があり、
この構造を模索し、研究する。

これが構造主義なんです。

 

ブリコラージュ

彼は構造主義を発展させるうちにブリコラージュ
という考えを打ち出しました。

 

ここで簡単なブリコラージュの例を出します。

  • 絵を書くうちにもともと描こうとしていなかったものが
    浮かび上がってきてそちらの評判がよかった。
  • 自社の問題解決のためのシステムを作ったら、
    それに特許がついて、新しいビジネスが生まれた

この様に何か目的のために行ったこととは違う分野で、
利益や功績が出ることを
ブリコアージュといいます。

 

レヴィ=ストロースはこの考え方を打ち出すことによって、
いわゆるところに、見えない構造があるということを証明しました。

 

ビジネスで使える構造主義

 

最後にこの構造主義から考えられる
集中力のトリガーを作り出す方法を紹介したいと思います。

 

そもそも集中力はなぜ続かないのでしょうか?
おそらく集中力が続かなくて困っている人は多くいると思います。

 

しかしそんな人でも、興味があることに対しては集中できますよね。

 

よくあるのは勉強・仕事に集中できない、という問題です。
つまり、集中力が持続しないのは、
その物事に興味をもてないからなのです。

 

しかし、勉強だろうと、仕事だろうと
集中力のスイッチが入る瞬間自体は
経験したことがあるのではないでしょうか。

 

ここに一例を出します。

  • 受験
  • お偉いさんへのプレゼンテーション
  • 試合前の練習

ここで集中できないなんてことはないと思います。

 

それはこの受験にもプレゼンテーションにも試合にも、
わかりやすく結果がついてくるからです。

 

つまり、結果に直結しているという構造を把握すればするほど
集中力は持続しやすくなるのです。

 

テスト1週間前には全然集中できなかったのに、
前日になると集中できるなんてことはよくあると思います。

 

これは明日にしなければやばいという構造が見えてくるからですね。

 

つまりその時点で見えない構造を見つける意識を持てば
集中力は持続しやすくなります。

 

もし自分が何かに集中できないと感じた時には、
まずここで集中することで、どの様な利益を得ることができるのか
逆に集中しなければどの様な損を被るのか、
その構造を俯瞰的に捉えることを意識してみましょう。

 

そうすることで、あなたの集中力は以前よりも持続すはずです。

構造主義のまとめ

 

いかがだったでしょうか?
構造主義について理解できたでしょうか?

 

最後に構造主義について簡単にまとめておきます。

 

  • 構造主義とは
    「この社会には見えない構造があり、その構造が社会や文化を
     決定している。」
    という思想
  • 構造主義の代表的な哲学者はレヴィ・ストロース
  • 構造主義とよく対比されるのが実存主義であり、
    ハイデガーやサルトルなどがこの思想の代表者

 

では今回は以上となります。
読んでいただきありがとうございました。

-その他

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  1. […] 実用的な哲学ブログ2019.06.09構造主義とは?をわかりやすく解説【集中力のトリガーになる!?】https://uteimatsu.com/structuralism/ こんにちは、みるまのです。 この記事では、「構造主 […]

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