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定言命法とは?【死ぬほどわかりやすく解説】

投稿日:2020年2月10日 更新日:

 

こんにちは、素人哲学者 ミルマノ(@_mirumano_)です

 

この記事では、「定言命法」という言葉の意味、
また最後の方で「定言命法」を考え出したカントという哲学者について
簡単にまとめています。

 

では、さっそくご覧ください!!

 

定言命法の意味とは

 

「定言命法」とは
「無条件に「〜すべし」という命令形式」
です。

 

この意味だけ見てもわかりにくいですよね。

 

なので、ここからは定言命法と対比される仮言命法も紹介し、
両方同時に理解していただきたいと思います。

 

定言命法と仮言命法

 

仮言命法というのは
「条件付きで「〜すべし」という命令形式です」

 

例えば、
「人にされて嫌な気持ちになるなら、自分もやるな!」
 ↑
これが仮言命法です。

 

「人にされて嫌な気持ちになるなら」という条件があって、
「自分もやってはいけない」という命令形式ががきていることがわかります。

 

「金持ちになりたいなら、節約しろ」
 ↑
これも仮言命法ですね。

 

「金持ちになりたいなら」←条件
「節約しろ」←命令形式
になっていることがわかると思います。

 

このように条件+命令形式になっているものを「仮言命法」といいます。

 

ここまでくれば「定言命法」がどんなものなのかも
予想ができているのではないでしょうか?

 

定言命法の例

 

定言命法とは
「無条件に「〜すべし」という命令形式」
でした。

 

要は「条件」がついていない命令形式を
「定言命法」と呼ぶわけです。

 

例えば
「悪口をいってはいけない」とか
「人に優しくしろ!」とか
「女の子に体重を聞いてはいけない」とかです。

 

先ほどの仮言命法と違って、前半に条件が付いてないですよね。
こんな感じで、無条件な命令形式を「定言命法」と呼びます。

 

すごく簡単ですよね。

 

ただ、ここで勘の鋭い方はこんな風に感じているかもしれません。
「何でこんな簡単なことをわざわざ難しい漢字で表すの?」

 

それを解説するため、
ここからは定言命法という言葉を考え出した「カント」という哲学者が
どんな哲学者で何をしたのか、を簡単に紹介したいと思います。

 

定言命法の生みの親:カント

 

先ほども紹介した通り、定言命法という言葉を作り出したのは
「カント」という哲学者です。

 

カントは18世紀のドイツで活躍した哲学者で、
近代哲学の中でも、特に大御所扱いされている人物です。

 

では、カントは哲学者として何をしたのか?

 

カントが成し遂げたのは次の3つです。

  1. 人間は何を知ることができるのか?

  2. 人間は何をすべきなのか?

  3. 人間は何を望みうるのか?

なんかどれもざっくりしていて、イメージがつきにくいですよね笑。

 

ただ、この3つはそれぞれ
「純粋理性批判」「実践理性批判」「判断力批判」
という3冊に分けて本にまとめられていて、
どの本もめちゃめちゃ難しいです。

何が言いたいかというと、
抽象的すぎるこの3つの問題を
カントは論理的に解決したすごい哲学者だということです。

 

あと、もう一つカントの功績を紹介するならば、
「合理論」と「経験論」を融合させた、ということです。

 

 

合理論と経験論っていうのは、
哲学の中でも「認識論」というジャンルに含まれていて
カントが融合させるまでは、完全に対立する思想として扱われてきました。

 

その対立する思想の、悪い部分を否定しつつ、
いいところを取り出し、融合させたのがカントという哲学者です。

 

以上がカントの簡単な紹介になります。
カントという哲学者のすごさをわかってもらえれば嬉しいです。

定言命法が生まれたわけ

 

では、話を元に戻します。

 

先ほどの問題は
「なぜ条件のない命令形式に定言命法という難しい名前をつけたのか?」
でした。

 

それは上で紹介したカントの功績である
「人間は何をすべきか?」
に関係しています。

 

「人間は何をすべきか?」
というのは、もっと具体的にいうと
「人間はどんな行動をして生きるべきか?」
と言う意味です。

 

その問題に対して、カントが出した答えは

『あなたの意志の格律が常に同時に普遍的な立法の原理として、
 妥当しうるように行為せよ』

です。

 

 

難しすぎて意味がわからないですよね。

 

この難しい言葉を更に言い換えると
「定言命法に従った行動しろ!!」
になります。

 

つまり、条件がついた「仮言命法」ではなく
無条件の「定言命法」に従って行動をすることこそ「人間がすべきこと」
だと考えたわけです。

 

ではなぜ「仮言命法」に従った行動ではいけないのか?

 

カントは「仮言命法」に従った行動は
「自分の幸福が目的になっている」
と考えたのです。

 

例えば、先ほど紹介した

「人にされて嫌な気持ちになるなら、自分もやるな!」
「金持ちになりたいなら、節約しろ」

この二つの例。

 

どちらの命令も、自分が従えが幸せになってしまいますよね。

人にされて嫌なことをしなければ、自分もされない→幸せ
節約をする→金持ちになれる→幸せ

こんな感じです。

 

カントは人間のなすべき事の目的が自分の幸せに繋がっていては
いけない、という風に考えた哲学者でした。

 

以上がカントという哲学者によって
「定言命法」という言葉が生み出された理由になります。

 

定言命法に対する批判

 

では、最後にこの「定言命法」に関する批判を紹介しておきたいと思います。

 

この定言命法に対する批判は、
「そもそも定言命法を知った上で定言命法に従うことなんかできなくね?」
です。

 

例えば
「困っている人を助けなさい!!」
 ↑これは定言命法ですよね。

 

では、実際にこの状況をイメージしてみてください。

 

あなたはすでに「定言命法」に従った行為こそ、
「人間がなすべき行為」だと知っています。

 

その上で、無条件に「困っている人を助けなさい!」に従います。

 

この状況を客観的にみるとどうなるのか?

「この人は定言命法に従うことが人間にとってなすべきことだから、
 困っている人を助けたんだ。」

つまり、あなた自身が自分の行為を「なすべき行為」にするために
「困っている人を助けた」ことになります。

 

つまり、「定言命法」が何かを理解しながらする定言命法「的」な行為は
全て自分の満足を得るための「仮言命法」に従った行為になってしまうのです。

 

面白いですよね。

 

まぁ、こんな批判論もありますよ、
っていう紹介でした。

 

定言命法のまとめ

 

最後に簡単い定言命法をまとめておきたいと思います。

 

定言命法
→「つべこべいわず〜しろ!!」

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

 

 

-カント

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