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現象学とは?【死ぬほどわかりやすく解説!】

投稿日:2019年9月21日 更新日:

 

こんにちは、素人哲学者 ミルマノ(@_mirumano_)です。

 

この記事では「現象学とは何か?」
を死ぬほどわかりやすく解説していきたいと思います。

現象学とは

 

現象学とは
「現象がどのようにして成り立っているのかを研究する学問」
です。

 

例えば、木になっているリンゴが地面に落ちたとします。

 

私たちはこの現象を見たとき、

  1. リンゴという物体が落ちる
  2. 人間の「視覚」を通してその情景を感知する
  3. リンゴが落ちた「現象」を理解する

この順番で現象の成り立ちを理解しています。

 

しかし、現象学では少し違った考え方をします。

 

現象学では
「現象を作り出すのは人間の認識能力である」
というような考え方をします。

 

要は

  1. 視覚を通して、リンゴが落ちる情景を作り出す。
  2. リンゴが落ちた現象が出来上がる
  3. リンゴが落ちたことを理解する。

この順番です。

 

「現象学バカすぎるでしょ…」
そんな風に思ったあなたの判断は当然です。

 

でも、こんな経験はないでしょうか?
「ロレックスだと思ってたけどパチモノだった」
「弟だと思っていたヤツが実は血が繋がっていなかった」
「自分のことをかっこいいと思ってたけど、違うらしい」

 

誰もが経験したことあるこ経験ですよね。

 


実はこの「勘違い」は人間の認識能力によって
「勘違い現象」を生み出したことが原因です。

 

要は「リンゴが落ちたという現象」に対して、
後々「実は落ちたのはみかんだった」と気づくのと一緒です。

 

要はあらゆる存在は人間の認識能力が生み出しているのです。

 

この人間が作り出す「現象」に注目し、
その成り立ち方を追求したのが「現象学」という哲学ジャンルです。

 

フッサールの現象学

 

この現象学という哲学のジャンルの創始者はフッサールという人です。

 

哲学というのは基本的には「真理」を追求する学問です。
真理というのは「普遍的なもの」を意味しますが、
フッサールはその普遍的なものを追求するのを早々に諦めてしまいました。

 

 

 

 

先ほども紹介したように
目の前にあるリンゴは
人間の認識能力が認識できる「リンゴ」だからです。

 

猫からしたら、人間にとってのリンゴはリンゴではないかもしれませんし、
なんなら、外国人にとってのリンゴは
僕たちの知っているリンゴではないかもしれません。。

 

フッサールがこれに対して気づいたのは、

人間は主観的な認識でしかものを見ることができない
 →自分が普遍的だと思っても、客観的に見ると違う
 →真理を追求することなんてできない

ということです。

 

ただし、フッサールのすごいのは諦めるだけではなく
新しい課題を生み出したことです。

「人間の主観的な認識はどうやって構築されるのだろうか?」

それを追求するのが現象学です。

 

これがどれだけ難しいことなのか?

 

鏡がないのに、自分で化粧をして、
その出来上がった化粧をメイク動画に編集して、
youtubeにアップするくらい難しいです。。

現象学的還元

 

では、この難しいことにフッサールはどのように取り組んだのか?

 

その方法が「エポケー」です。
めちゃめちゃ簡単にエポケーを説明すると、
「まずはリンゴの存在を確信している自分がいることに気づく」
ということです。

エポケーを日本語訳すると「判断中止」という言葉になるのですが、
そもそも自分の認識が主観的判断であることを止めることを「エポケー」、
それを受け入れた上で、エポケーしていることを認めることを現象学的還元
と言います。

 

この「現象学的還元」という言葉はフッサールの現象学をうまく表しいる
言葉なので、ぜひ知っておいてください。

 

ハイデガーの現象学

 

ここまで、フッサールを中心にして現象学を紹介してきましたが、
現象学の代表的な哲学者としてもう1人紹介したいのが、
ハイデガーです。

 

ハイデガーはフッサールのと師弟関係を結んでいた人物で
彼も現象学を追求した人物です。

 

結果的にハイデガーは師匠であるフッサールの現象学を
批判することになるのですが、
その理由は「存在」の定義づけです。。

 

ハイデガーのフッサール現象学に対する批判

 

ハイデガーは現象を明らかにするために自分自身の存在についても考ました。

 

現象は人間の認識能力が勝手に作ったもので、
客観的には見ることができないから
「還元」する必要がある。というのがフッサールの現象学でした。

 

ここで例えば、「自分の存在」という現象を考えたときに、
自分の存在を認識する機能をもつ「認識」。
そしてそのさらに上に、「認識を操る存在」があります。

 

フッサールはその「認識を操る存在」を
「超越論的なもの」と呼び、「存在」とは違うカテゴリーに入れました。

 

しかしハイデガーは

「超越論的なもの」も存在として扱わないと現象学って意味なくね?

というような考え方をして、フッサールに批判の手紙を書いたようです。

 

この批判はちょっと難しすぎますよね。
なので、気になる方のために下の方でオススメの本を紹介していますので、
そちらをご覧ください。

 

ということで、
最後に現象学を勉強するときにオススメの本を紹介したいと思います。

現象学入門にオススメの本

 

現象学入門にオススメの本の一冊目は
『初めてのフッサール『現象学の理念』』
です。

 

この本のいいところは何と言っても200ページしかないことです。
200ページしかないということは現象学入門にぴったりということです。

 

内容に関しても現象学の創始者であるフッサールにに焦点を当てて、
現象学を説明してくれるので、かなりわかりやすい。

 

現象学を始めるきっかけづくりの本として、
オススメの本です。

 


 

 

続いて、紹介するのは
『フッサールとハイデガー』
です。

 

これは入門書として紹介するのには適切ではないかもしれませんが、
フッサールとハイデガーという2人の現象学者の思想のぶつかり合い
を楽しんでもらえる。

 

という個人的な意見で今回紹介させていただきます。

 

とりあえず読破すれば、
現象学なんか関係なく「哲学の面白さ」がわかっていただけると思いますので、
ぜひご覧ください。

 

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現象学のまとめ

 

最後に簡単に現象学をまとめておきたいと思います。

 

現象学
→現象の成り立ちを解明する学問。

 

以上になります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

 

 

 

-その他

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