こんにちは、素人哲学者 ミルマノ(@_mirumano_)です。
この記事では、「パノプティコン」という刑務所の構造に関する情報について
解説します。
では、早速!!
パノプティコンとは?
パノプティコンとは刑務所の構造のことです。
簡単に想像するために以下の画像をご覧ください!!

【画像:パノプティコン -Wikipedia】
こちらがパノプティコン 構造の刑務所です。
中心の建物の上部には、監視員が常駐しています。
そして、周りの小さな部屋のそれぞれに、囚人が収容されています。
この監獄の何が特徴的かというと…
円柱の建物の中に、監視員がいると言いましたが、
囚人側からは、監視員の存在が見えません!
円柱の監視室の窓に、取調室でよくみるブラインドフィルム(あの、テレビでよくある別室から取り調べを見れるあれです。)を貼っているのです。
ブラインドフィルムがない時代には、強い灯りを囚人に向けて放つことで囚人からは、監視員がみれないシステムを作っていたようです。(人間は、強い光を見ると、そのそばにあるものを捉えることができません)
この構造の何がすごいかというと、
囚人にかかるストレスの量がえげつないということです。
普通の刑務所であれば、囚人は自分が監視されているか、
いないのかを自分で確認することができます。
なぜなら、監視員がそばにいて、見張られているから。
もし、監視されているのであれば、囚人は囚人らしい行動をしいられます。
しかし監視員がそばにいなくて、見張られていなければ、多少気を抜いくこともあるでしょう。
しかし、監視されているタイミングがわからなかった場合、
囚人はずっと気をぬくことができません。
もちろんですが、脱獄を企てることも一切できません。
このような状況になると、囚人は一生気を張り詰めていなければならないのです。
この構造によって、囚人をうまく管理しようというのが、設計者の意図です。
誰がパノプティコンを考えたのか?
パノプティコンを考えたのは、ジェレミー・ベンサムです。
ジェレミー・ベンサムと言えば功利主義で有名な哲学者ですね。
功利主義とは
社会・集団においては、幸福と快楽をいかにもたらすか、その度合いを最優先する思想です。
その中でも、ベンサムは「最大多数の最大幸福」を打ち立てた人物でした。
※功利主義について、詳しく知りたい方は、以下の2つの記事をごらんください
「最大多数の最大幸福」に関する情報は①の方にあります
経営者視点を功利主義から学ぶ①〜功利主義とは?〜
経営者視点を功利主義から学ぶ②〜質的功利主義と経営者の義務〜
なぜ幸福を最優先するような哲学者が刑務所のシステムを作ったのか?
それは、功利主義が社会や集団の幸福を優先する思想だったからです。
上の記事を見てもらえでばわかるのですが、
ベンサムの量的功利主義というのは、
幸福を集めて、その「和」さへ大きければ良しとする、単純な考え方でした。
そして、この和を大きくするためには、まず「幸福のマイナス」(苦しみのことです)を減らすことが手っ取り早いのです。
そこで、ベンサムは囚人をうまく更生させるシステムがあれば、
社会として、幸福のマイナス(苦しみ)を減らせるのではないかと
考えてこの構造を思いついたわけです。
かなりベンサムは酷な考えの持ち主だと考えた方もいるかもしれません。
私もそう思います。
社会の幸福を大きくするために、囚人にとってはストレスのかかる方法で更生させる…
極端すぎますよね。
しかし、自分に当てはめてみると意外とそうでもないかもしれません。
例えば、部活のコーチが理不尽に厳しかったけど、思い返してみると
自分のためになってたな、と思うこととか、
両親が厳しくて、毎日勉強させられた結果いい大学に行けたとか、
兄に喧嘩で泣かされ続けた結果、ちょっとのことでは泣かなくなったとか、
意外と、辛いことを見返してみると、自分のプラスになっていることがよくあるもんです。
つまり、このベンサムのパノプティコンについても
長期的に見れば、社会の幸福度をあげることに繋がるのです。
結論
今回の記事ではパノプティコンが何か?ということと、
それができたきっかけをお伝えしました。
次の記事では実際に部下の育成のために、
この仕組みをどういう風に考えて利用していくかに
お答えしていきたいと思います。
では本日はここまでにします。
読んでくださってありがとうございます。
次の記事も読んでください!!









