こんにちは、素人哲学者 ミルマノ(@_mirumano_)です。
この記事では「資本論」という本を
死ぬほどわかりやすく要約しています。
1867年に書かれた本なのですが、
現在でも人気のある「経済本」として知られています。
知ってはいるものの実際に読んことのある人は少ないと思いますし、
なんなら内容も微妙にわからない人が多いのではないでしょうか?
なので、この記事は「資本論」の要約を死ぬほどわかりやすくして、
あと、この資本論をどうやって実践していくのかを
紹介していきたいと思います。
Contents
そもそも資本論って何?
「資本論」は
カール・マルクスというドイツの哲学者によって書かれた本です。
そして、この本は何の本かというと
「資本主義はダメ!世界経済が崩壊するシステムだ!!」
をめちゃめちゃ難しく伝えている本です。
ちなみに「資本論」とよく比べられるのが、
アダムスミスが書いた「国富論」です。
「国富論」でアダムスミスは
「経済には見えない力が働いていて、
個人の利益を追求する行為により経済はうまく回る。
つまり資本主義はベスト!!」
ということをめちゃめちゃ難しく伝えています。
「国富論」は18世紀後半に書かれ、
その影響でヨーロッパでも資本主義を肯定する風潮が出てきます。
しかし18世紀の後半以降、
経済の発展は衰退し、貧富の差が拡大していきました。
それと同時に資本主義は本当にベストなのか?
という民衆の不信感も募っていました。
そんな中、資本主義の対抗馬として現れたのが、
今回紹介する「資本論」を書いたカールマルクスです。
なので一言で「資本論」を説明すると
「資本論を批判して社会主義をオススメした本」
です。
ではここからは、マルクスが「資本論」で伝えたかったことを
ちょっと深掘りしつつ要約して解説したいと思います!!
資本論の要約①商品
資本論を否定するためにマルクスがしたのは、
「商品」「貨幣」「労働力」の深掘りです。
資本論の中でマルクスは資本主義がダメだ!!
という主張したかった。
そのための大前提として、彼はまず
「資本主義における富って何?」
という部分に着目しました。
そしてその答えは「富=商品」
皆さんは、この前提を覚えておいてください。
そしてマルクスは商品には2つの価値があると言います。
1使用価値
例えば、ネットで服(=商品)を買います。
なんのために服を買ったのか?
だいたいの人は「着るため(使用するため)」に買っています。
商品の価値の1つ目は、まず使用することによるものです。
2交換価値
そして2つ目の価値はどういうものか?
それが商品を同じ価値の別の商品と交換するための価値です。
昔遊戯王のカードを友達と交換したことはないでしょうか?
あの頃は幼いなりに、
相手からもらうカードが自分のカードにふさわしいか考えて
交換していたはずです。
資本論の要約②貨幣
先ほどの「交換価値」をさらに潤滑にするため
誕生したのが「貨幣」。
つまりお金です。
お金があることで、商品の価値を数値で設定することができるのですね。
ここに関してはそんなに難しくないですので、さらっとした説明で終わります。
資本論の要約③労働力
マルクスの労働力に対する考えはとても面白い観点があります。
貨幣によって商品の交換が潤滑になると言いました。
つまり、同じもの価値をもつ商品同士の交換が簡単になったのです。
しかし「労働力」を商品と考えた際に、
労働と賃金の価値は同じにはならないとマルクスは言います。
例えばどういうことかというと…
経営者(資本家)に対して
「100万円で自動車を作ってくれ」
と依頼が来たとします。
そこで経営者は1ヶ月90万円で1人の労働者を雇います(労働力を買います)。
そして労働者が1ヶ月100万円の車を作り上げます。
このとき経営者は10万円の利益を手に入れます
このとき労働力と車の価値はどうなっているでしょうか?
労働力=90万円
車=100万円
↑
10万円の差が出ていますよね。
マルクスは、これを余剰価値であると言います。
このように商品同士の交換は同じ価値のもので行われますが、
労働力と貨幣の交換は同じ価値にはならないことをマルクスは証明しました。
絶対的余剰価値と相対的余剰価値
この余剰価値を高めれば高めるほど経営者(資本家)は
大きな利益を得ることができるわけです。
そして、労働の余剰価値には2種類あり、
それぞれ違う性質を持っています。
まず利益を増やす1つ目の方法が絶対的余剰価値をあげることです。
絶対的余剰価値はその名の通り、絶対的な余剰価値を増やすことです。
つまり、同じ賃金で労働者を長い時間働かせればいいよね!
ということです。
ここで先ほどの車の例をもう一度思い出してみましょう!!
先ほどは1ヶ月90万円で労働者を働かせていました。
しかし2ヶ月で90万円にするとどうなるでしょう?
2ヶ月あるので車は2台作れます。
つまり90万円の労働力で200万円の車(=商品)が作り出せるのです。
そして利益を増やす2つ目の方法が相対的余剰価値を増やすということです。
もう一度先ほどの車の例を使います。
先ほどと、労働者を雇う期間は変わりません(=1ヶ月)
しかし、労働者に車を2倍早く作れる方法を伝授します。
そうすると、1ヶ月90万円払うだけで車が2台分作れることになります。
かなり極端な話ですが、この方法でも利益が大きくなるのはわかりますよね!
資本論の要約④資本主義
ここで一旦これまでのまとめをしてみましょう!!
①資本主義において富=商品である
②貨幣は同等の価値の商品を交換することができる
③労働力も商品であるが他の商品と違い資本家によって価値が変わる
これがここまでのまとめです。
では、労働力の価値を資本家が設定できるとしたら
次に何をすることが想像できるか?
労働力の価値をどんどん低くすることです。
労働者を安い賃金で働かせるもしくは長時間働かせるなどをすれば
資本家の利益はどんどん大きくなっていきます。
一方で搾取される側の労働者の利益はどんどん下がっていきます。
つまり上と下の差がどんどん大きくなっていきます。
これに不満を持った労働者はどうするのでしょうか?
この問題に関する答えは重要なポイントになるなので、
よく考えてみてください!
不満を持つ労働者ですが、一人では何もできません。
だから、他の労働者を集めて資本家に対する反逆を起こします。
その反逆が成功すれば、資本家のもつ資本は労働者のものになり、
労働者はその資本を分け合うことになります。
この労働者が資本を奪い分け合うという状況。
これは資本主義社会といえるのでしょうか?
言えないですよね。
これがマルクスが資本主義社会はダメだという理由です。
「そもそも資本主義は崩壊することを前提にできているシステムだ」
とマルクスは考えたわけです。
しかし、こんな疑問を持った方はいないでしょうか?
「豊かなものとそうでないものの格差が大きければ
反逆が起きるのは想像でるけど、反逆なんか成功しないでしょ?
だって資本家の方が資本持ってて強いやん!」
そんなことは意外とないです。
資本家の資本が大きくなるのに比例して、
資本家は労働者も増やします。
なぜなら資本を労働者に投資することによって、
さらに大きな資本を生み出してくれるシステムだから。
つまり、資本家の力が大きければ大きいほど
反逆が成功する可能性も高まるでのです。
100人と喧嘩する方が2人と喧嘩するより負ける確率が高まりますよね。
まぁ反逆というのが現代で通用するのかはわかりません。
現代はそれなりに規制もありますし、
単なる暴力的な反逆は通用しないでしょう。
しかし当時であれば、それなりに説得力はありますよね。
こうして、マルクスは資本主義が崩壊することを論理的に説明したのです。
資本論の要約まとめ
最後に簡単に資本論がどんな本なのかをまとめておきたいと思います。
資本論
→「資本主義ダメ。絶対。社会主義はありよりのあり。」
以上になります。
まず、貨幣論が全然だめ。流通過程からのみそれが必然であるがごとく説明してあり、
商品の、生産過程から導き出されるその必然性を全く理解していない
資本主義の内的矛盾がその矛盾の量的増加による質的変化が全く捉えられていない
その浅はかで無理解が下の結論に達したのだろう
「資本主義ダメ。絶対。社会主義はありよりのあり。」
レーニンも諸々の分析過程を経て次のように述べている
概念は直線的にまとめ上げるのではなく、大きく螺旋を描きながらまとめ上げることで
より豊富な概念へとまとめ上げられる(要約)
頑張れ