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質的功利主義とは?【死ぬほどわかりやすく解説】

投稿日:2019年6月26日 更新日:

 

こんにちは、素人哲学者 みるまの(@_mirumano_)です。

 

この記事では、「質的」功利主義とは何?
という疑問に死ぬほどわかりやすくお答えします。

 

そもそも功利主義とは?

 

まず「質的」功利主義を解説する前に、
「功利主義」がなんなのかを簡単に解説しておきます。

 

功利主義とは、
社会・集団において、
幸福と快楽をいかにもたらすか、その度合いを最優先する思想
です。

 

要は、社会に必要なのものって何なの?という質問に
「社会に必要なのは正義よりも倫理よりも幸福でしょ!!」
と答える思想が功利主義です。

 

そして、
功利主義の創始者であるベンサムは
「最大多数の最大幸福」という理論を考え出し

「集団・社会における最大の幸福を求めるならば、
 全ての人にまんべんなく幸福が行き渡る必要がある。」

という「量的」功利主義を重要視しました。

 

しかし、量的功利主義にはある致命的な欠陥がありました。。

 

その致命的欠陥を改善するために生み出されたのが、
「質的」功利主義です。

 

質的功利主義とは?

 

量的功利主義の致命的欠陥とは
個人間の幸福度の違いを反映することができないこと
です。

 

実は量的功利主義の方法では、
客観的視点で見た幸福度しか計算できないのです。
※量的功利主義の計算方法が気になる方は下の記事をご覧ください。

 

 

この部分に異論を唱えたのは
ジョン・スチュアート・ミルという哲学者でした。

 

彼ははベンサムの「量的功利主義」に対して、
「質的功利主義」を提唱します。

 

彼は人それぞれ違う幸福度を表すために
幸福を「身体的快楽」と「精神的快楽」に分類しました。

 

①質的功利主義の身体的快楽

 

身体的快楽とは、文字通り、身体を満たす上での快楽です

 

食欲・性欲・睡眠欲などですね。

 

これらの欲求は満たしても、
満たしても飽き足りることがありません。

 

そしてこういう欲求は、かなりコスパが悪い。

 

例えば食欲に関して考えてみます。

 

食欲を満たすために何か好きな物を食べれば、快楽が生まれます。

 

しかし、時間が経てば、またお腹がすいてきますし、
美味しいものを食べたいという欲求を満たせば満たすほど、
舌が肥えて、さらに美味しくて、高級なものが食べたくなります。

 

身体的快楽はコスパの悪い快楽という特徴がある、
ということを頭の片隅に置いておいてください。

 

②質的功利主義の精神的欲求

 

精神的欲求は、知識欲、達成感などです。

 

知識欲は満たしても食欲と同じように
時間がたつごとに、また出てくるといった単純なものではありません。

 

また身体的快楽と違うのは、
その知識を積み重ねることによって、
さらに高度な知識を得ることができます。

 

ミルはこういった点から「身体的快楽」よりも
「精神的欲求」の重要性をときました。

 

量的功利主義と質的功利主義の違い

 

ベンサムが考え出した量的功利主義は、
あらゆる種類の幸福を平等に扱った上で、
その幸福の大きさを考えました。

 

しかし、ミルの質的功利主義は幸福の種類に順位づけをして、
幸福の大きさを計算しています。

 

要はセックスから得られる幸福よりも、
知識を得たことによる幸福の方が価値が高く計算されるわけです。

 

質的功利主義の問題点

 

質的功利主義は、個人の幸福度の違いがないという問題点を補ったものでした。

 

しかし、質的功利主義も完璧ではなく、もちろん問題点が出てきます。

 

それは
「結局のところ幸福度を平等に判断できない」
という点です。

 

例えば、「食欲よりも知識欲が価値の高いもの」とい言いつつも、
本を買う余裕のない人からしたら知識欲を満たすことの
素晴らしさはわかりません。

 

こういった部分から質的功利主義もそれを経験をした人にしか
「幸福度」の判断ができない理論なのです。

 

質的功利主義=満足した豚より不満足な人間であれ理論

 

満足した豚であるより、不満足な人間である方がいい

これはミルの名言なのですが、
質的功利主義を上手く説明している言葉なので紹介しておきます。

 

質的功利主義のまとめ

 

最後に、簡単に質的功利主義をまとめておきたいと思います。

 

質的功利主義
→食欲よりも性欲よりも睡眠欲よりも知識欲が素晴らしい。本を読め!

 

以上になります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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