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「君主論」から読み解くリーダーの資質①

投稿日:2019年7月6日 更新日:

こんにちは、素人哲学者 ミルマノ(@_mirumano_)です。

今回は「君主論」から読み解くリーダー論ということで、
リーダーに必要な「思考」についてまとめていきたいと思います。

この記事を読んでいただければ、
リーダーはどのような思考回路を持って、集団を引っ張って行くべきなのか
がわかりますので、是非ご覧ください。

それでは、早速行ってみましょう!!

「君主論」とは?

「君主論」とは、ニッコロ・マキャベリによって書かれた、
「政治思想書」です。

この君主論なのですが、
「西洋の孫子の兵法」とよばれ現代に至るまで、様々な君主に参考にされてきた、
いわば、リーダーの教科書とされている本です。

また、経営者が読むべき本としても度々オススメされる本ということもあり、
時代を超えても集団の上にたつことの本質を捉えていることがわかります。

この君主論が現代に至るまで、評価されているのには、訳があります。
それは、マキャベリが実際の君主や君主国を分析して、
それを総括的にまとめていることです。

「リーダーの資質・素質とは?」
みたいな本でよくあるのは、その本の著者の経験を元に
主観的な判断を書き連ねていることです。

しかしマキャベリは違いました。
彼は、もともとは政治の前線に立つイタリア外交官でした。
その当時のイタリアは、日本でいう戦国時代のようなもので、
様々な勢力が乱立していました。

その中でも、頭一つ飛び抜けていたのが、
チェーザレ・ボルジアという人物です。

彼は勢力を拡大し、どんどん統一を進めていきます。
その姿をみて、マキャベリは彼のような人物が君主の理想だ、と感じ
それを君主論にまとめていきます。(他にも色々な人物が登場します。)

つまり、君主論とは外交官として前線で活躍した人間が
客観的に、リーダーをとらえた本なのです!!

「君主論」より、リーダーの資質①

では、ここからは君主論で語られている内容をピックアップして
紹介したいと思います。

目的のために柔軟に手段を選ぶことができる

まず、君主論の最大の特徴といってもいいのが、
この本が現実主義であるということです。

マキャベリが君主論を書き上げるまでにも他の人は
「人の上に立つ人間の素質」
「戦略的な政治」
など、同じような内容の本が書かれていました。

しかし、その内容というのは
「家臣に対して、愛を与えよ、市民に対しても愛を与えよ、
それが統治者としての結果に繋がる」
といった人間として素晴らしいものが統治者としても素晴らしい、
といったことを強調していました。

しかし、マキャベリはそのような考えでは、統治者として
結果を残すことができないことに気づいていました。

彼は実際の君主を分析したと先ほど書きましたが、
愛のない統治者として、例にあげたのがアレクサンドロス大王という人物です。

彼はギリシャを統一し、その後ペルシャ帝国を統一、彼が征服した
地域はアジアにまでおよび、歴史に名をはせることとなります。

彼は統治者として、カリスマ的地位を持っていましたが、
その一方で、かなり好戦的で荒い気性を持つことでも有名でした。

実際彼は、征服欲に取り憑かれていたようで、
制服のためなら、どんな残虐な行動でも躊躇しなかったようです。

また戦国時代の日本統一をあと一歩まで成し遂げた、
織田信長もその残虐性で知られています。

このような現実を受け止め、マキャベリは
目的があり、そのために必要な犠牲もある
ということに気づきます。

この点だけ、聞くととにかく結果さえよければ何をしてもいい
というようなニュアンスがありますが、実際に君主論を読むと
マキャベリはもっと違う意味を含ませていることに気づきます。

これまで多くの人は、現実のさまを見もせず、知りもせずに、
共和国のことを想像で論じてきた。しかし、
人が現実に生きているのと、人間がいかに生きるべきか
と言うのとは、はなはだかけ離れている。だから、
人間がいかに生きるべきかを見て、現に人が生きている
現実の姿を見逃す人間んは、自立するどころが、
破滅を思い知らされるのが落ちである。
なぜなら、何事につけても、良い行いをすると公言する人間は、
良からぬ多数の人々の中にあって、破滅せざるを得ない。
したがって、自分の身を守ろうとする君主は、よくない人間にもなれることを、習い覚える必要がある。そして、この態度を、必要に応じて使ったり、使わなかったりしなくてはならない。

【引用:君主論】

この引用文を読めば、マキャベリが伝えたっかたのは、
目的のためなら何をしてもいいと言うことではなく、
目的のために最善の手段を選ぶことが大切だ、としていることが
わかると思います。

実際に先ほどのアレクサンドロス大王も残虐な性格で
何人もの人を殺したのですが、それは国家統一のためであり、
征服した土地に対しては、残虐性を示すことはなく、
逆にその土地の文化などを自国に取り入れたようです。

君主論まとめ

いかがだったでしょうか?
本日は君主論シリーズの第一話です。

リーダーにとって必要な資質①は
目的のために、柔軟に手段を選ぶこと
でした。

次の記事でも引き続き「君主論」からリーダーに必要な資質を読み解いていきますので、ぜひご覧ください!!

では本日はここまでです。
読んでいただきありがとうございました!!

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