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プラトン

哲人政治とは?わかりやすく解説【リーダーに必要な資質がわかる】

投稿日:2019年12月5日 更新日:

 

こんにちは、素人哲学者 ミルマノ(@_mirumano_)です

 

皆さんは「哲人政治」という言葉を知っていますか?

 

これはプラトンという哲学者が生み出した
「政治体制」のことです。


「哲人」という言葉さえわかれば、
「哲人政治」の意味はわかります。

 

ただ「哲人」という哲学用語は意外と難しい…

 

なので、はじめに「哲人」という言葉を理解してもらい、
その後「哲人政治」をさらにほりさげていきたいともいます。

 

ちなみに、この記事を読んでいただければ
「哲人政治とは?」がわかるだけじゃなく
「リーダーに必要な資質とは?」もわかりますので、
興味がある方はぜひ読み進めてください!!

 

哲人政治とは?わかりやすく解説

 

哲人政治の「哲人」という言葉ですが、
これは「魂を構築する要素の中で、最も理性を占める割合が多い人」
を指しています。

 

「ん?魂を構成する要素?」って感じでしょうか。

 

「哲人」という言葉を理解する前に、
まずは「魂の三分説」というものを簡単に紹介しておきます。

 

これもプラトンという哲学者が生み出したもので、
「魂は三つの要素、理性・意思・欲望からできている」
という思想です。

 

その中でも「理性」は
「意思」と「欲望」の舵を取る役割を果たしています。

 

 

プラトンはその理性の多い人間を「哲人」と考え、
その「哲人」が政治を行う体制のことを「哲人政治」と呼びました。

 

哲人政治と衆愚政治

 

プラトンは一言でいうと、
「自分達のような哲人(=哲学者)が政治を行うえば、理想的な国家を創れる」
と主張したのです。

 

調子にのったやつだな、と思うかもしれません。
しかしこれには、それなりの理由があります。

 

それは「衆愚政治」が原因です。
衆愚政治とは「民主制」が腐ったものです。

 

おどろくかもしれませんが、
「民主主義」は古代ギリシア時代から採用されていました。

 

民主主義のいいとことは、
市民全員が政治に参加できるところです。

 

しかし、それが逆効果となり、
当時の選挙で勝つのは口がうまいとか、
単に人気があるだけとか、そんな人物でした。

 

そんな人物ばかりが政治を行うと、
まぁ政治はうまく機能しなくなります。

 

この民主制が腐った状態のことを「衆愚政治」と言います。

 

哲人政治のメリット

 

そして、この衆愚政治を生み出す「民主制」を否定し
「哲人政治」がベストだと考えたのがプラトンでした。

 

プラトンは「哲人」こそが「理想的な国家」
を知ることができると考えていたのです。

 

それはプラトンが「イデア論」という思想を「核」にしていたからです。

 

 

イデア論と政治を結びつけたプラトンの思想をものすごく簡単に説明すると、
「理想的な国家をつくるためには、理想的な国家を知っていなければならない
 それを知ることができる人間は哲人のみ!!」
って感じです。

 

プラトンはエリートが政治を行うべきだと考えていました。

 

哲人政治への批判

 

しかし、哲人政治にも批判はあります。

 

哲人政治はいってみれば、「独裁政治」です。

 

だって、
誰も知ることができない
「理想国家を知っている人間」
が政治を引っ張るのです。

 

そもそもプラトンは
「政治家になるのは哲学者、もしくは政治家は全員哲学者になるべき」
と考えていました。

 

この思想を現代に置き換えると
「出世するのは高学歴。もしくは出世した後、その人は難関大学に合格すべき」
みたいな感じです。

 

そんな思想のウケがいいわけありませんよね。
そういった意味で、この「哲人政治」には批判もつきまといます。

 

哲人政治を生み出したプラトンとは?

 

ここまで、なんどもプラトンという名前を出しましたが、
ここからは、プラトンがどんな哲学者なのかを紹介します。

 

プラトンを一言で説明するなら、
「優秀オブ優秀」
です。

 

彼は「古代ギリシア哲学の黄金時代」を作り出した一人で、
紀元前にもかかわらず、自分で学校を作り出しています。

 

学校といっても、全員が通う学校ではなく、
優秀な人物を育成する「アカデメイア」という学園です。

 

その上、
ソクラテスという人物の思想を本にまとめ、
「万学の祖」と呼ばれるアリストテレスの師匠です。

 

 

そんなプラトンの核となっている思想は上でも言いましたが
「イデア論」です。

 

この思想は相当面白いので興味がある人は、
下の記事を読んでみてください。

 

哲人思想からわかるリーダーに必要な資質とは?

 

最後にリーダに必要な資質を哲人思想から考えていきたいと思います。

 

プラトンは
「哲人こそが政治を引っ張っていくべき」
と考えましたが、それは現代においても通用します。

 

哲人というのは「理性の割合が多い人物」でした。

 

理性というのは
「あらゆる物事に論理を与えることのできる能力」
を表しています。

 

まぁ論理力ですね。
論理力が高い人間は「意思」と「欲望」をコントロールできます。

 

意思をコントロールできなければ、過激な人間になり、
欲望をコントロールできなければ、怠惰な人間になります。

 

これらの、二つをコントロールできるのが、
「理性」であり、リーダーに必要な資質となります。

 

会社でリーダー的な役割をしている人や、
今後人を引っ張っていきたい、という方は
「理性」を鍛えるようにしてみてください!

 

哲人政治のまとめ

 

いかがだったでしょうか?
最後に簡単にまとめておきます。

 

哲人思想…理性の割合多めの人間

 

以上になります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

-プラトン

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  3. アライショウジロウ より:

    哲人政治の考え方を現代に置き換えること自体間違い。置き換えられない。エリート主義には違いないが、哲人の理性のlevelと、難関大学を出て出世した程度の人間のlevelとでは天と地との差がある。ブッダlevelと衆生levelの間におけるが如き差がある。

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