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ソクラテス

ソクラテス思想のエッセンスをわかりやすく【哲学の祖】

投稿日:2019年12月14日 更新日:

こんにちは、素人哲学者 ミルマノ(@_mirumano_)です

この記事を開いてくれた皆さんは、
それなりにソクラテスという哲学者に興味があるのだと思います。

ソクラテスは「哲学の祖」と呼ばれていて、
哲学界のなかでも最強の思想の持ち主です。

しかし、そんな実力者でありながら、
ソクラテスは自分の本を一冊も書いていません。

これを聞くと、ソクラテスが哲学者として異端であることがわかると思います。

この記事では、ソクラテスが本を書かなかったワケから
ソクラテスの代表的な思想など、広い範囲を網羅して紹介したいと思います。

それではご覧ください!!




ソクラテスとプラトン

ソクラテスの思想を紹介する前にまず知っておいて欲しいのが、
ソクラテスとプラトンの関係です。

先ほど、ソクラテスは自分の本を一冊も書いていない、と言いました。
では、なぜ僕たちはソクラテスの存在を知っているのか?

それはプラトンという哲学者がソクラテスの思想を書き残したからです。

プラトンはソクラテスの弟子でした。

当時のソクラテスは、最強のカリスマ性を持っていて、
優秀な弟子がたくさんいたそうです。

その中で最強の一番弟子だったのが、プラトンです。

もともとプラトンはいいところの生まれで、
政治家になろうと考えていたようです。

しかし、一度ソクラテスに会うやいなや
何かをビビッと感じ、その日中に弟子入りしたそうです。

そんなカリスマ性の持ち主であるソクラテスですが、
彼は自分の思想を一切文字として残さない人物でした。

この理由については、
文字によって意味を履き違えられるのが、嫌だったのではないか?
と言われていますが、正確なところはわかっていません。

そして、そんなソクラテスですが彼はあることをきっかけに
たくさんの弟子を残したまま死んでしまいます。

憧れの師匠の思想が後世に残らないことを苦しく思い、
形として残したのが、プラトンです。

プラトンは「ソクラテスの弁明」という本をかきあげ
そこにソクラテスの思想を散りばめました。

ソクラテスの弁明

先ほどソクラテスがたくさんの弟子を残したまま死んだと言いました。

その死因は、
「自分の思想を貫くため」
です。

ソクラテスは、最強のカリスマ性を持っている一方で、
彼の思想を良くないと考える敵も多かったんです。

その敵にありもしない罪をかぶせられ、
ソクラテスは裁判で討論をすることになります。

その様子を本にしたのが「ソクラテスの弁明」です。

結果的にソクラテスは自分から死ぬことを選ぶのですが、
彼の裁判での言論には、ソクラテス思想のエッセンスが詰まっているのです。

なので、ここからは「ソクラテスの弁明」からわかる
ソクラテス思想のエッセンスをまとめていきたいと思います!!




ソクラテス思想-①絶対主義

ソクラテスの思想の土台にあるのが、
「絶対主義」です。

絶対主義っていうのは、
「絶対的真理や普遍的なものの存在を認める」
思想のことをいいます。

このままではイメージがつきにくいかもしれませんね。

「正義って何?」とか
「道徳って何?」っていう抽象的な疑問に対して、答えがある!!
っていうような思想を持っている人が絶対主義者っていうぐらいの
イメージでいいと思います。

ただソクラテスが生きていた時代というのは
「相対主義」という考え方が流行っていました。

正義って何?って聞かれた時に
「そんなもん人それぞれでしょ」
って考えるのが相対主義です。

そんな中、ソクラテスは絶対的な真理を追い求めて、もがいていました。
そういう様子が当時の若者にうけ、弟子たちも増えたそうです。

ソクラテス思想-②主知主義

主知主義というのは
「人間の魂において理性や知性を重視する」
思想です。

これは絶対主義者であるソクラテスが
「良く生きるとはどういうことか?」
という問題を解決する際に、持ち出した思想です。

良く生きるためにはどうすればいいのか?

魂を良いものにしなければならない

魂を良いものにするためにはどうすればいいのか?

その答えが「知性」だったのです。

ソクラテスは「真偽」「善悪」「美醜」を見分けるためには
「知性」「理性」が重要だと感じていました。

例えば、悪い行為をしてしまうのは知性が足りず、
魂レベルでその行為が悪いことだと認識できていないと感じたのです。

そしてそれを一言で表しているのが続いて紹介する
「知徳合一」です。




ソクラテス思想-③知徳合一

知徳合一とは感じの通り
「知性と徳は同じものだよ!!」
って意味です。

ここでいう「徳」とは
「善悪を判断できること」
を示しています。

知性がある

善と悪がなんなのかを魂レベルで知っている

つまりそれは良い魂を持っている

良く生きれる

という流れですね。

ここまでの「絶対主義」「主知主義」「知徳合一」というのは、
哲学者ソクラテスの核となる思想です。

ここからは、
一味違うソクラテスの「攻めの思想」
を紹介していきたいと思います。

ソクラテス思想-④問答法

これは、ソクラテスが相対主義者を論破する時に使った
「弁論術」です。

ものすごく簡単に説明すると
「そもそも論を投げかけ、ロジックの矛盾をつく」
みたいな感じです。

意外かもしれませんがソクラテスは「論破大好きヤロウ」です。

無罪を被せられたのも、この「問答法」を使いまくって
他人の恨みをかったからです。

それほど、この問答法という弁論術は最強でした。
このような思考法ができるようになると、
あらゆる分野で活かすことができます。

具体的な方法については下の記事をご覧ください。

ソクラテス思想-⑤無知の知

最後に紹介するのが「無知の知」です。

これは聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

「自分が知らないということを感じている」
という意味です。

ソクラテスが生きていた時代の政治家は
「正義とはこういうものだ!!」とか
「勇気とはこういうもんだ!!」
みたいなことをプレゼン能力を生かして演説していました。

そうすることで、民衆からの票を稼ごうとしていたんですね。

しかし、ソクラテスはここに喧嘩を売ります。
もちろんさっきの問答法を使って。

ソクラテスは、
「そもそも正義とか勇気ってなんなの?」
という質問をそこら中の政治家に聞いて周りました。

そんな質問に答えるのは難しいですよね。
答えることができたとしても、
ソクラテスが問答法で深掘りして論破してしまうのです。

そして、ソクラテスは最後にこんな感じでトドメをさします。

「あんたらは偉そうにしているけどただの知ったかぶり、
俺はあんたらとは違って自分がわかっていないことをわかったふりしない
だからあんたらよりはまし」

ソクラテスに敵が多かったことがうなずけるエピソードですよね。

ソクラテスが意外と過激な思想を持っていることを
わかっていただけたなら、嬉しいです。




ソクラテス思想のまとめ

最後に簡単にソクラテス思想をまとめておきます。

ソクラテス思想
→絶対的真理を求めて、わからないことを全てわかりたい
わからないのにわかっている風なやつは、論破しちゃうぜ!

以上になります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!!

-ソクラテス

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