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○○論&〇〇主義

経験論・経験主義とは?【死ぬほどわかりやすく解説】

投稿日:2019年8月21日 更新日:

 

こんにちは、素人哲学者 ミルマノ(@_mirumano_)です。

 

経験論・経験主義という言葉を聞くと
「経験を重視する思想のことだろうな?」
と思われる方が多いかもしれません。

 

しかし、実際のところはそこまで単純ではありません。

 

この記事では
「経験論とは?」「経験論主義とは?」
という疑問に死ぬほどわかりやすくお答えします。

 

 

経験論の意味

 

「そもそもなぜ経験論という言葉が生まれたのか?」
この「そもそも」さえわかれば経験論は簡単に理解できます!!

 

経験論は
「人間が持っている全ての知識はどこから生まれているのか?」
というテーマに応えるためにできた言葉です。

 

このテーマは、
哲学の中でも「認識論」というジャンルになります。

 

 

 

で、経験論は認識論の一つの派閥みたいなもので、
「人間の知識は知覚経験でから生まれているんデスヨ!!」
と考える思想です。

 

「何だ結局は経験を重視するんでしょ?」
と思われるかもしれませんが、
経験論の人たちが言う「知覚経験」というワードは
「個人的な体験」というよりは、
「検証の積み重ねによる客観的事実」を表しています。
※ここに関してはとてもわかりにくいので、下に例を書いています。

 

ちなみにこの「経験論」という派閥と
よく比べられる思想が「合理論」です。

 

 

ここでは、簡単にしか紹介しませんが、合理論の人たちは
「人間の知識は、人間が本来持っている理性から生まれる」
と考えています。

 

ここまでで、「経験論」の意味を紹介しました。
ただ、まだイメージがつきにくいと思うで、
簡単な例を紹介します。

 

経験論のわかりやすい例

 

例えば、
「筋肉をつけつつ、体重も減らすには、
 有酸素運動と無酸素運動をしないといけない」
という「知識」。

 

多分ダイエットをしたことがある人なら聞いたことがりますよね。

 

今回は経験論的な考え方の人がどのようにして、
この「知識」にたどり着くかを紹介したいと思います。

 

まずは経験論の人たちは痩せそうなありとあらゆる運動を試します。

  • ランニング
  • 腹筋
  • ヨガ
  • バスケ
  • 腕相撲
  • サッカー

などなど。

 

そんな中、ある時

  1. ランニングは体重が減る運動
  2. 腹筋は筋肉が増える運動
  3. バスケやサッカーは筋肉が増えつつ体重が減る運動

だということに気づきます。

 

経験論の人たちは、それに気づいたら、
ランニング、筋トレ、バスケに似ている運動を
たくさん実験していきます。

  • ランニングと動きが似ているウォーキングは?→体重だけ
  • 腹筋似と動きが腕立て伏せは?→筋肉だけ
  • バスケと動きが似ているテニスは→両方

こんな感じで実験を重ねて、
最終的に
「筋肉をつけつつ、体重も減らすには、
 有酸素運動と無酸素運動をしないといけない」
この知識にたどり着きます。

 

イメージしやすかったでしょうか?

 

先ほど、「知覚経験」というワードは「個人的体験」ではなく
「検証の積み重ねによる客観的事実」だと解説したのですが、
この例を見れば、それがわかったのではないかなと思います。

 

 

経験論と合理論の違い

 

じゃあ経験論とは反対の「合理論の人」たちはどう考えるの?
という疑問にも簡単に答えておきたいと思います。

 

合理論の人たちは経験論の人たちみたいに何回も「実験」をしません。

 

ある程度頭で仮説を作った上で実験をするのです。

「筋肉をつけるためには無酸素運動が必要っぽい…」
「体重減らしたいだけなら有酸素運動だけでいいぽい…」

 

「じゃあ一旦、無酸素運動しかない筋トレと、
 有酸素運動だけのウォーキングやってみよ。」
 ↓
「想像通り、筋トレは筋肉増えて、ウォーキングは体重だけ減った」
 ↓
「じゃあ有酸素も無酸素もどっちも必要な運動やれば
 どっちも実現できるんじゃね?」
 ↓
「やっぱり、テニスやったら体重も減ったし、体脂肪率も減った」
 ↓
「つまりは、筋肉をつけつつ、体重も減らすには、
 有酸素運動と無酸素運動をしないといけない」

 

こんな感じです。

 

この例だけ見ると、
合理論の方が賢いようにも見えますが、
合理論にも落とし穴があります。

 

気になる方は、下の記事を読んでみてください!!

 

 

経験論を唱えた代表的な哲学者

 

ここまで経験論をざっくりと解説してきましたが、
経験論にも色々種類があります。

 

ここからは、経験論を唱えた哲学者を紹介して、
それぞれの違いをわかりやすく紹介したいと思います!

 

1.フランシス・ベーコン

ベーコンは「イギリス経験論の先駆者」と呼ばれています。

 

彼は経験論の思考方法を説明するために
「帰納法」という言葉を使いました。

 

帰納法とは?

 

①「Aさん(人間)は死んだ」
②「Bさん(人間)も死んだ」
③「人間は死ぬ」

このように事実を集めて分析し、真実を求めるのが、帰納法です。
さっき紹介した例も帰納法的な考え方です。

 

ちなみに帰納法の逆は演繹法(えんえきほう)と言います。
これが合理論的な考え方に当たります。

 

 

演繹法とは?

 

演繹法は事実を集める前に仮定を設定します。

 

先ほどの例でいくと…

①「人間は死ぬのではないか?(仮定)」
②「Aさんも死んだし、Bさんも死んだ」
③「人間は死ぬ」

これが演繹法です。

 

 

 

2.ジョン・ロック

 

ジョンロックはイギリス経験論の父と言われています。
彼が経験論哲学者として追求したのは「タブラ・ラサ」という考え方です。

 

タブラ・ラサとは?

タブラ・ラサとは「白紙の状態」という意味です。

 

ここでは簡単に紹介しますが、

「人間は生まれた瞬間はタブラ・ラサ(白紙の状態)で生まれてきて、
様々なことを知覚することで、その白紙を経験で埋めていく。」

というのがタブラ・ラサの考え方です。

 

3.バークリー

 

バークリーも経験主義者であることに違いはありません。
しかしその中でも特に異質な考えを持つ哲学者です。

 

バークリーの考えは

「存在するとは知覚されることである」

というものです。

 

この意味を順を追って説明していきます。

 

例えば、あなたがロールプレイングゲームの主人公だったとして、
ある道にリンゴを落ちているのを見つけたとします。

 

このとき、リンゴは存在しています。
しかし、ある道を通らずにリンゴを見つけなかったとしましょう?

 

そのゲームの中にリンゴは存在するとは言えなくなるのではないでしょうか?

 

バークリーの思想はこれと一緒です。

 

世界というのは、
個人が精神を通して世界(ロールプレイングゲーム)を見ているだけで、
そこに登場しなければ、存在することができないのです。

 

つまり、世界中の人からまだ発見も認識もされていない微生物なんかは
存在しないのと一緒だ、というような思想になります。

 

こういう思想を「独我論」と呼びます。

 

経験論・経験主義まとめ

 

最後に簡単に経験論とは?をまとめておきます。

 

経験論
→知識は実験で出てきた事実の積み重ねです!

 

最後まで、ご覧いただきありがとうございました。

 

-○○論&〇〇主義

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