こんにちは、素人哲学者 ミルマノ(@_mirumano_)です
この記事では「エピステーメー」を紹介します。
「エピステーメー」はフーコーという哲学者が作り出した、哲学用語です。
わかりやすく解説していますので、ぜひご覧ください。
エピステーメーの意味とは?
エピステーメーは
「時代や社会によって変わる知識の枠組み」
という意味です。
わからないようなわかるような、なんとも言えない感じだと思います。
これだけではイメージしにくいと思いますので、
エピステーメーの例を紹介したいと思います。
エピステーメーの例
エピステーメーを解説する際によく出てくるのが
「図鑑」の例です。
さっきエピステーメーは
「時代や社会によって変わる知識の枠組み」
だと紹介しました。
この例では、「時代」によってエピステーメーが変わることが
わかると思います。
まず、図鑑を作るとなると皆さんはどういった作り方をしますか?
例えば、動物図鑑だったり植物図鑑だったり、
まずはジャンルを決めなければいけませんよね。
そして動物図鑑に決めたら、
そこから哺乳類とか、両生類とかさらに詳細な「分類」に分けていきます。
この「分類」という点で、
時代によってエピステーメーがあることがわかるのです。
まずは16世紀です。
ある人が爬虫類図鑑のようなものを作ったそうです。
その爬虫類図鑑には全く「分類」する、という観点がありません。
いわゆる、関係する情報を全て盛り込んだ図鑑だったんですね。
しまいには、龍だとか、空想上のの生き物まで紹介されていたそうです。
では続いて17世紀、今度は植物図鑑を作ろうとして人物がいました。
16世紀とは違い、その植物図鑑には分類がありました。
その分類方法の基準となったのは「外見」です。
雌しべや雄しべがそもそもあるのか?
あったとしたら何枚?
その形は?
みたいな感じで植物図鑑の分類基準ができました。
16世紀よりは見やすい図鑑だと想像できますよね。
では、最後に18世紀です。
図鑑の分類はどうなるのでしょうか?
ある人は動物図鑑を作る際に、
その動物を解剖して、内臓器官や歯の形状の違いから
分類分けを行いました。
そこから、肉食動物とか、草食動物、両生類と魚類とかに
分類され始めたそうです。
ここで、分類の基準になったのは外見というよりも「中身」ですよね。
つまり、16世紀には全く分類という概念はなく
17世紀には「外見」、18世紀には「中身」が分類の基準となっているのです。
これが「エピステーメー」が変化している例です。
おそらく図鑑のジャンルが全て同じでも
エピステーメーは変化したでしょう。
このような分類分けの例と同じように
時代、社会によって変わる思考の土台のことを「エピステーメー」
と言います。
エピステーメーを提唱したフーコーとは?
フーコーは20世紀の哲学者で、
「狂気」「権力」「性」などをメインとして扱っていました。
特に有名なのは
近代の権力構造をパノプティコンに例えたことです。
一見自由に見える社会に対して、
実は閉鎖された社会であることをパノプティコンに例えたのです。
実用できるエピステーメー
エピステーメーからわかることは
「枠組みによって知識が変わる」
ということです。
このことを理解して実用すれば説得力が鍛えられます。
例えば同じ会社にいても
モノを売る営業とお金を管理する経理部では全く考え方が違いますよね。
営業は、モノを売るために接待を頑張りますが、
経理からすると、接待なんかせずにモノを売って欲しいはずです。
同じ会社にいても
思考が全く逆方向を向いているのです。
それは部署という意味での枠組みが違うからです。
これは部署の違いだけだけではありません。
個人の生きてきた環境が違えばエピステーメーも違います。
このことに気づけると、
意見の食い違いなどが発生していも、相手を理解することができます。
相手を説得する上で
ある人は頭ごなしに相手を否定して説得しようとする、
ある人は相手の枠組みを理解した上で、説得力説得しようとする、
どちらの説得力が高いかは、考えるまでもありません。
なぜ、相手の枠組みの理解が重要なのでしょうか。
それは、相手の枠組みを理解することで、
相手の思考もある程度想像できるようになるからです。
相手の思考を想像することができれば、
説得する上で、自分がどのようなアプローチをすれば、
相手に響のか?もわかりやすくなります。
皆さんも説得力を鍛えるために、
自分の喋りをうまくするのもいいですが、
相手の思考の枠組みを捉えようとすることを意識してみてください!!
では、今回はここまでにします。
最後までご覧いただきありがとうございました!!