こんにちは、素人哲学者 ミルマノ(@_mirumano_)です。
この記事では「悟性」という言葉の意味を死ぬほどわかりやすく解説します。
この悟性という言葉なのですが、
複雑な意味がある言葉です。
「複雑な意味ってどゆこと?」
そういうのも含めて、ここから解説していきます。
悟性の意味とは?
「悟性が複雑な意味を持っている」
↑この原因は哲学者によって「悟性の意味の定義」が違うからです。
これは哲学ではあるある現象です。
例えば「道徳」とか「倫理」とかって、
だいたいぼんやりとした意味はありますよね。
そのだいたいぼんやりした意味っていうのは
みんなが納得できるようにできている「一般的な意味」です。
でも実際に、道徳をきちんとを説明できるか?
というとできないですよね。
なぜなら、そもそもこの言葉自体が抽象的だからです。
そして、この抽象的なものを
「きちんと説明したい!!」
哲学者という生き物です。
抽象的な言葉を定義するんだから、
そこに違いはもちろん出てきます。
なので、この項では「大枠での悟性」の意味を紹介して、
その後、有名哲学者がどんな意味でこの言葉を使ったかを解説します。
広い意味での悟性
まずは広い意味での「悟性」紹介します。
「悟性」とは
「何かを理解したり、判断したりする能力・知性」です。
ざっくりしていますよね。
そもそも抽象的な言葉なので、こうなってしまうのは当たり前です。
まだこの時点では「悟性=知性みたいなもの」と思ってもらって構いません。
では、ここからは哲学者ごとに違う「悟性」の意味を紹介していきます。
といっても、
この「悟性」という言葉をめちゃめちゃ追求した
哲学者はそもそも2人しかいません。
まずは、カント。そしてヘーゲル。
2人とも「近代哲学」に大きな影響を与えた哲学者です。
その中でも、特に「悟性」を深く研究した
カントの「悟性」がどんなものか?
を解説していきます。
カントが定義した悟性
もう一度広い意味での「悟性」の意味を紹介した上で、
カントが定義した「悟性」を紹介していきます
広い意味での「悟性」は
「何かを理解したり、判断したりする能力・知性」でした。
しかし、カントにとっての「悟性」は
一般的な悟性の「ワンステップ」だけを示しています。
具体的にいうと
カントは「何かを理解したり・判断したりする能力」(つまり認識能力)
を3ステップに分けました。
順番に「感性」「悟性」「理性」です。
「感性」は認識のための「情報を仕入れる力」
「悟性」は認識のための「まとめる力」
「理性」は認識のための「論理的に判断する力」です。
言葉だけではすごく難しいので
人間がみかんを認識する過程を考えてみましょう。
感性・悟性・理性の例
まず目の前にみかんを見つけたら、
人間は目で見たままの情報を集めます。
「黄色い」「丸い」「すべすべしている」
「机の上のある」「直径5センチくらい」などなど…
これが認識の1ステップ目の「感性」です。
そして「悟性」はそれをまとめあげます
「黄色くて丸くてすべすべしていて机の上にあって、直径5センチくらい」
ただ、ここではまだ「みかんだ!」と認識することはできません。
認識の最後のステップになるのが「理性」です。
感性と悟性によって
「黄色くて丸くてすべすべしていて机の上にあって、距離は1メートル」
という情報が入ってきました。
しかし、この物体がみかんではなくてオレンジなのかもしれませんし、
もしかしたらピンピン玉なのかもしれません。
それを最終的に論理的に判断するのが、「理性」です。
「もしオレンジだったらもっと色が黄色いはず」
「もしピンポン球ならもうちょっと直径が小さいはず」
「だからみかんだ!!」
極端な例を出しましたが、こんな感じです。
つまり、カントにとっての「悟性」は
「感性によって得た情報をまとめあげる能力です」
「悟性」のまとめ
最後に簡単に悟性とは?
をまとめておきたいと思います。
広い意味での悟性
→理解したり判断したりする能力
カントが定義した悟性
→感性からもらった情報をまとめ上げる力
以上になります。
最後までご覧いただきありがとうございました。