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ホッブズの社会契約説とは?|死ぬほどわかりやすく解説します!

投稿日:2019年8月26日 更新日:

こんにちは、素人哲学者 ミルマノ(@_mirumano_)です。


今回は「死ぬほどわかりやすく」シリーズです。
ホッブズの社会契約説を死ぬほどわかりやすく解説します。


では、さっそくいっていみましょう!!


そもそも社会契約説とは?


結論を先にいうと、社会契約説とは
「国家は人々の契約の上にあると考える政治思想のこと」
です!!


全く意味わからないですよね笑


わかりやすくするために「王権神授説」という思想と比べてみたいと思います。


王権神授説とは?


王権神授説とは、
「国家を作ったのは神で、神から権力を得た国王が国家を支配する」
という政治思想のことです。


17世紀ごろまでの西洋ではずっと国家はこの体制を取っていたわけです。


というのも、神という存在が圧倒的な地位を占めていたからです。


ちなみに世界史の授業で「絶対王政」という言葉を聞いたことはないでしょうか?
「絶対王政」は、王権神授説という思想を元に作られた政治システムのことです。


では、社会契約説とは王権神授説とどう違うのでしょうか?


社会契約説とは?


王権神授説という考え方では、国家を作ったのは神でした。


社会契約説では、国家を作ったのは市民であるという考え方をします。


現在考えれば王権神授説よりも理解できる思想ですよね。


しかし、17世紀までの西洋では、神様が市民の中で絶大な力をもち、国を支配していたのは皇帝でした。


つまり、神のすぐ直下にいる皇帝に逆らうことなどもってのほかだったわけです。


しかし、皇帝も人間がしますので、好き勝手な政治を行ったり、暴君だったり、市民の不満は高まっていたのです。


そこに登場したのが社会契約説です。
この政治思想により、国家は神によって作られたものではない→国王のいうがままにする必要はないという思想が広まっていきました。


17世紀ごろから市民革命が多発しているのは、このような流れがあってのことなのです。


ちなみに社会契約説を唱えた哲学者は数々いますが、有名どころでいうと、ルソー、ホッブズ、ロック、モンテスキューなどが挙げられます。


彼らの思想は「市民が国家を作った」という点に関しては同じですが、それぞれ違う特徴を持っています。

 

ホッブズが唱えた社会契約説とは?

ではホッブズはどのような社会契約説をとなえたのでしょうか?

ホッブズって誰?


トマス・ホッブズ(1588〜1679)はイギリスの哲学者です。


1588年はアルマダの海戦というスペインとイングランドが戦争を始めた年でした。


彼は、かなり早産の未熟児で生まれたのですが、その原因は、彼の母親がスペインの無敵艦隊がイングランドに侵攻してくるという話を聞き恐怖したことだそうです。


そのため、彼は自分自身を「恐怖から生まれた子供」とつぶやいていました。


そのこともあり、ホッブズは戦争をする必要があるのか?など戦争に対する疑問を強く持っていました。


そして、なぜ国家同士で争いをするのか?という疑問に行き着きます。

 

では、そもそも国家がなかったら人間はどうするか?ということを考え、彼の著書である「市民論」の中でその答えを打ち出しています。


その結果がこちらです。
「(国家がない)自然状態は万人の万人に対する闘争」に行き着く

自然状態とは?

自然状態とは、国家がなく、法律も警察もいない状態のことを指します。


つまり、人間がなんの縛りもなく、全員精神的に平等な状態で放置されたらどうなるか?
をホッブズは考えたわけです。


万人の万人に対する闘争という言葉から察しがつくかもしれませんが、国家がなかったら、市民は自己中心的に利益を求めて、闘争をすると考えたわけです。


そうなると、市民はいつ殺されてもおかしくない状態になります。


法律も警察もなければ、自分の財産を得るために、人殺しをする人間が確実にでてきますよね。


しかし、現状国家があるおかげで、私たちは常に人殺しに怯えなくてもいい状態を得ています。


そのような状況をホッブズは、彼の著書である「リヴァイアサン」で解釈しています。

リヴァイアサンとは?

「リヴァイアサン」には彼が考えた正当な国家と正当な権力について、まとめられています。


国家がなければ万人の万人に対する闘争が起こる→そうならないために国家が存在している、という考えが国家に対するホッブズの解釈です。


そして、彼が打ち出した正当な国家になるためのシステムは共有権力(コモン・パワー)を設立することです。


コモンパワーとは公共権力のことです。


簡単にいうと、市民を遠くから拘束する議会などと思ってください。


市民が自分の利益を求めて闘争すれば、いつ殺されてもおかしくない状況になる→安心して暮らすことができない→利益のために人を殺すことを放棄する代わりに安心して暮らすことのできる権利を得る


もし、その法則に従わない者が出れば、コモンパワーによって罰せられる。


これがホッブズが考え出した正当な国家のあり方だったのです。

まとめ


今回はホッブズの社会契約説についてまとめてみました。


いかがだったでしょうか?
理解していただけたなら、幸いです!!


今回はここまでにします。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!

 

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